【導入事例】記録業務を削減し、”ひと支援”の時間を生むVUEVO(ビューボ)による「人のためのデジタル化」
更新日:2025-11-17 公開日:2025-11-11 by VUEVOマーケティングチーム

社会福祉法人名張育成会のご紹介
1957年に設立された社会福祉法人名張育成会は、今年で68年目を迎える。知的障がいのある方を中心に、地域とともに歩み続けてきた歴史ある法人です。当時、障がいのある人々を守る法律すら存在しなかった時代に、「法がなくても、この人たちの生きる場所をつくろう」と、地域の親たちが立ち上がったことが始まりでした。その思いを引き継ぎ、「険しくとも果敢に挑む」という先人のDNAが、今も育成会の根底に流れています。
現在は20の事業所・約530名の職員が在籍し、知的障がい者支援に加えて「みはた虹の丘こども園」「大山田こども園」などの保育事業、特別養護老人ホームなどの介護保険事業も展開し、幼少期から高齢期まで、一人ひとりの人生に寄り添う支援を実現している社会福祉法人です。
現場に横たわる「記録の壁」
会議の記録においてどのような課題がありましたか?
私たち育成会が長年抱えてきた課題のひとつが、“記録業務の負担”でした。会議や面談、支援記録など、書かなければならない記録は膨大で、特に会議の記録者は発言に集中できず、会議後に残業して議事録をまとめることもしばしばありました。なので、「この人は会議録があるから、この時間はちょっと支援に入れないね」という問題が発生してしまって。結果的に利用者さんの支援を行うためにやってることではあるんだけども、支援のための時間が記録のために減ってしまっているという矛盾を抱えていました。
その課題に対してどのような検討を進められましたか?
その解決のために、手書きの議事録から始まり、ブラインドタッチ研修、レコーダー導入、ホワイトボードを撮影して写真として共有など、改善の試みは何度も行われたが、どれも長続きしませんでした。課題はわかっていても、解決策が“続かない”。この停滞を打破するきっかけとなったのが、VUEVO(ビューボ)の存在でした。

体験から確信へ。VUEVO導入を後押しした決め手。
VUEVOとの出会いと導入の決め手は何でしたか?
VUEVOとの出会いは、国際福祉機器展への参加でした。現場職員の声を拾いながら、最終的には理事長・理事を含む意思決定層が自ら体験し、「これは進めよう」と導入を決断しました。現場職員と意思決定層が参加することで現場の課題と経営の課題が一致し、実際に体験して“これなら現場の負担を減らせる”と確信できたんです。
即時性×精度
導入を後押しした決め手は、自動に要約してくれる機能の正確さとスピード。会議終了からわずか2分で要約が生成され、すぐに共有できる。さらに発言内容の全データも記録されるため、結論に至る経緯を後から確認できる。監査時の対応や職員間の情報共有にも大きく貢献しています。
会議が変わる、支援が変わる。記録時間が1/3に
VUEVOをどのように使っていて、どのような効果を感じていますか?
現在、VUEVOは法人全体の委員会、各事業所の職員会議、上司と部下の面談、個別支援会議などで活用しています。会議が始まったらアプリで記録を開始し、あとはVUEVOにお任せ。終了後は自動で要約を生成してくれます。その後、決定事項などを追記して10〜20分で記録を整理できるため、職員がすぐに支援業務へ戻れる。以前は1時間以上かけていた記録作業が、劇的に短縮され、午前中の会議内容が、午後には共有されている状態で。そのスピード感に、理事長からも「これが本来の会議だ」と称賛の声が上がりましたね(笑)。また、記録の質のばらつきがなくなったことで、担当者の主観や得意・不得意に左右されず、何が言いたいのかが一目でわかるし一貫した品質を保てるようになったのが良かったですね。
ーアプリで記録を開始、会議後に終了を押すと要約された記録が数分後に自動でアップロードされるー


使い方として工夫していることや使い方のポイントはありますか?
当初は職員面談で使う際に「記録されるのは少し緊張感がある」と感じる職員もいたが、会議でも使い続けるうちに「会議に集中できる」「要点が明確になった」と効果を実感する声が増え、その抵抗感は薄れた気がします。いまでは主任以上の職員が自然に使いこなしていますね。当たり前に使っていく文化になりました。
運営方法としては、主任以上しかデータがまとまっているページを見られないようにしているんです。個人情報もありますし。そして、主任以上が必要なものを必要な人やチームに共有する仕組みを取っていますね。
効率化の先にあるのは、“人に向き合う時間”。
今後他にも活用していきたい場面はありますか?
実際、育成会では今、会議録だけでなく介護・障がい福祉の支援記録システムの刷新にも取り組んでいます。従来は手書きや二重入力が多く、現場に大きな負担がかかっていました。そこで音声入力などを取り入れた新システムを導入し、「記録に時間を取られる」から「支援のために時間を使える」環境へと転換を進めているのです。
今回のようなDX化について今後の貴法人の展望を教えてください。
VUEVOの導入を進めるうえで、名張育成会が何よりも大切にしたのは「私たちの仕事の本質は“ひと支援”である」という共通認識です。やはり、現場でも、どんな立場でも、私たちの軸は“ひと支援”。そこは絶対に曲げられないんです。だからこそ、業務の効率化や仕組みの導入も、“支援をよりスムーズにするための手段”であるべきなんです。
“ひと支援”という理念とのつながり
この考えが、法人全体の判断の根幹になっています。「削減できるものは削減し、本当に大切な“人に向き合う時間”を残す」。その姿勢が、VUEVOをはじめとするさまざまな改善の動きを支えていると思います。やはり、新しい仕組みに対して、現場には自然と慎重さもありますが、“自分の業務が楽になり、利用者支援に集中できる”と実感できた瞬間から、抵抗は一気に減りましたね。
“ひと支援”という確固たる理念があるからこそ、私たち名張育成会のDXは単なる効率化にとどまらず、支援の本質を守りながら変化していく「人のためのデジタル化」を目指していきます。